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唯一のシルシ

性描写があります、閲覧の際はご注意ください。
続きはこちら、からどうぞ


 


 

 

 

 

 


 


正面から抱きしめられ、押し付けられた胸板は広く、熱い。

きっと、着痩せする性質なのだろう。普段は黒い衣に覆われて見えない素肌に触れているのが自分だと思うと
―――詞紀の脳髄は蕩けていってしまうかのようだった。

「・・っ、あ」

伸ばされた手が胸のふくらみを包み込むのと高い声が上がったのはほぼ同時。

するり、と胸の上に長く骨ばった指が這い、緩急をつけながら何度も、揉みあげられていく。
焦らすようにゆっくりと、かと思えば形が歪むほど強く。

かすかに乳首を擦られて、なんともいえない感触に詞紀はのけぞった。

「我が妻はよほど、いやらしくなったと見える」

満足げな笑みを含んだ声で耳元に囁いた空疎はその白い喉もとにも舌を這わせた。

「ん、んぅ・・・、まって、空疎様・・・!」
「待たぬ。これから、貴様の好きな恥ずかしいことをしてやるのだ、愛している・・・・永遠に」

そういいながらも空疎の手は止まらない。
彼女の情欲を煽るように指は膨らみを撫で回して、固く尖った乳首を摘む。

「ひぁっ」

ぴりり、とした痛いくらいの刺激がたまらない。

「最初は痛がるだけだったというのにな」

くすりと笑む吐息にさえ肌は粟立ってしまう。

「愛している。―-知っているのか、我はこんなにも貴様を愛している」

愛の言葉と共に白い肌に紅い花が散らされていく。それは雪を溶かす春のように、いや、それよりも詞紀の身体を火照らせる。

「どれほど、愛しく思っているのか。貴様は判っているのか・・・?」

 

詞紀と空疎尊が季封に戻ってから幾月がたった。

冬の寒さが嘘のように春は驚くほど早く盛りを迎え、そして今、もうすぐ雨がしとやかに降る季節に移りかわろうとしている。

しかし。

しかし、それとは裏腹に詞紀は――空疎の妻――は花開き、日々一段と美しくなっていた

最初は整った顔だちをしている女だと思ったものだ。それはまるで人形のようで、つまらぬとも。
でも、今の詞紀は時折無邪気な可愛らしい笑顔を浮かべてみせる。
と、匂いたつような色香を纏った女の顔をしてみせる。
おもわず、むしゃぶりつくしてしまいたくなるほど、空疎にとってそれは魅力的なものだった。

しかし、それは不愉快ではあるが、他人でも同じらしい。
季封の武官たちをまとめるあのどうしようもない阿呆を始め、今までよりも確実に多い男たちが詞紀に群がっていた。

毒にやられてしまった哀れな羽虫のようでもある。

空疎がいない隙を狙い、暇を見つけては詞紀をかまう彼らへ空疎が抱く感情は

腹立たしいの一言だった。

しかし、それ以上に腹立たしいのが詞紀である。

空疎によって咲かせた華だ。他人に蜜を吸わせることは許さない。
でも、あの無防備すぎる表情はどうだろう・・・・?

(あれは我の虜だ。他人に渡してなどなるものか)

心に収まらない苛立ちを抱えたまま、毎夜毎夜と詞紀を求めてしまう。
どれだけ、掻き抱いてもどうしてこの渇きは収まることを知らなかった。


「・・・脚を開いて、我を誘っているのか?」
胸を弄るうちに少しずつ脚を開いてきた詞紀を空疎は意地悪く揶揄してくる。
詞紀ははっとしたように全身を朱で染め上げた。
「ち、ちがっ」
「濡らしているな、もう待ちきれないのか」
「だって・・・・」
「だって、なんだ。言うまでソコには触れてやらぬぞ」

詞紀の淫唇はひくひくと痙攣し、涎をたらしている。
「こんな風にしたのは、我だな」とじっとその濡れた秘部を空疎の目にさらされる

「空疎様、意地悪をしないでください・・・」
「意地悪?我は聞いているだけだ、何故貴様の身体がこのようになってしまうかとな」

言葉で辱めるのは止めてほしかった。激しくされたほうがまだマシな気さえしてしまう。
いつにもまして今夜の空疎はしつこい。

「ならば、我が貴様をどれほど愛しているのか言ってもらおうか?」
「え・・・、ふぁ・・・っ」

そうようなことを唐突に聞かれても答えられるわけがない
「判っていないのだろう?」

「貴様が望むことを全て包み隠さず言うのならば、何でもしてやる。我は貴様の虜だ」
両足が大きく左右に拡げられる。
ヌチリという音と空疎の指が詞紀の媚肉の隙間に這入ってくる。

「解れるのが早いな。我を待ちわびていたように」
「そんなこと、言わないでください・・・・やぁっ」

詞紀の太ももは強張り、うずく感触が下肢からせりあがってきていた。

「あぁ、や、ぁああっ・・・!」
「何を我に望む?言ってみろ」

くちゅくちゅと水音が大きくなっていく。
涙でぼやける瞳ごしにこちらを凝視している空疎と目が合った
彼は詞紀と視線を絡ませたまま、囁く

「詞紀、・・・愛している」

その瞬間だった。

「あ、あ、あ、空疎・・・・さま、あぁああ!」
ひときわ甲高い声で詞紀が啼いた。
「え・・・」
彼女の身体が大きく仰け反り、ぐったりと弛緩する。
秘孔が空疎の指を奥へと引き込み、大量の蜜で濡らした。
もっと焦らすつもりだった。何度も空疎を求める言葉を詞紀に言わせるつもりだった。

「・・・、イった・・・のか?」
「はぁ、は、空疎様が・・・」

名を呼ぶから。

喘ぎ喘ぎ零された詞紀の言葉に空疎は目を見開いた。

空疎しか呼ばない詞紀の名前。
他の者が使う玉依姫という役職の名でもなく、姫君という尊称でもなく。

詞紀という存在がただ彼に囚われた女であると知らしめるその言霊。
いつまでも酔っていたくなるような真綿の呪縛にも似ていて。

「お願い、空疎様。もっと呼んでください・・・」

そう、懇願してしまう。

「まったく、貴様は本当に・・・・」
目元をうっすらと染めた空疎の顔が詞紀に近づき、二人は引き寄せられるように口付けた。
舌を絡ませ、互いをいやらしく吸い合う。
飲みきれなかった二人分の唾液が詞紀のあごを伝った。

「・・・いくらでも。望むだけ呼んでやる」

「詞紀、我の、我のだ。詞紀・・・っ」

火傷しそうなくらい熱い楔が詞紀を貫く。

「愛している、詞紀・・・っ」
何度も何度もその記号が彼の口から紡がれた。

・・・詞紀の願望だろうか。その名を彼が呼ぶたびに彼が愛しているといっている風に聞こえるのは。

「・・・詞紀」

 

    END


 


後綴り

こんにちは、白檻初書き、まさかの濡れ場かいな。 影羽です。
空疎さまルートで2回をしてるんだもん、仕方ないよねってことにして置いてください。
いつか、あの本編の2つも書きたいです。
てゆうか、初夜と本気でどっちを書くかを迷っていた人は私です。

空疎さまが離すつもりもない、貴様は我と虜だって言うシーンが好きで好きで仕方なかったのと
蛇ルートで空疎が心ではヒロインを名前で呼んでいたっていうモノローグが好きで好きでたまらなくなった結果こうなりました。

この二人のなかで名前っていうのはすごく重みがあると思うんですよ。
二人にとってお互いはただ愛してる存在以外の何者でもない、とか思ってるんじゃないのかなって。

あ、空疎はねちっこくねちっこく、若干下品なことをさらっといっちゃう人だと思います。
エンディングでの発言吹きましたもん。

生を謳歌するっておま・・・!


貴様は我に囚われれば良い→拍手


2012.9.30   影羽

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